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子育て

夫婦喧嘩でこどもの脳が萎縮!?マルトリートメントとは?

投稿日:2017年11月21日 更新日:

「世界一受けたい授業」でもとりあげられ、新聞や雑誌でも多く目にすることが増えた、「マルトリートメント」という言葉。『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版新書)を出版した、福井大学子どものこころの発達研究センターの友田明美教授が、こどもの脳の研究で、親のマルトリートメント(不適切な養育)が子供の脳を萎縮すると突き止めました。今回は、「マルトリートメントについて」と、「じゃあどうすればいいのか?」を、まとめてみました。

 

<目次>
  1. マルトリートメント
    ①意味
    ②事例
    ③こどもへの影響
  2. どうすればいいのか?
    ①誰にだってある
    ②こどもへの接し方
    ③誰かに話す

 

マルトリートメントの意味

日本語では「不適切な養育」と訳されています。虐待とほぼ同じ意味ですが、暴力や育児放棄だけでなく、こどもの発達に不適切な行為すべてを言います。子供の教育に熱心なあまり、行き過ぎてしまう行為も含まれます。

「虐待」といわず「マルトリートメント」とあえてつかうのは、「虐待ほどひどいことはしていない、私には関係ない。」と、思うことを防ぐためだそうです。

マルトリートメントの事例
      • こどもの前で繰り返される親へのDV(直接こどもには手を出さない)
      • こどもの前での夫婦喧嘩
      • イライラからくる暴言
      • しつけのため、あるいはつい、軽くたたいてしまう
      • 兄弟や友達と比較する
      • 人前で無理やり何かをさせられたり、いやなことを言われたりする
      • 嫌がっているのに着替えを見る、あるいは見せる(裸でウロウロするなど)
      • 過干渉、過保護
      • 無視、放置  …など

なんとなく、思い当たることありませんか?ほんの一例です。いわゆる虐待とまではいかなくても、こどもの発達に不適切とされる行為すべてを、マルトリートメントというのです。

 

 

マルトリートメントのこどもへの影響

マルトリートメントにより、脳を物理的に傷つけられる事により、学習意欲の低下や非行、うつ病や摂食障害、統合失調症などの精神障害を引き起こす可能性が明らかになりました。
具体的な脳への影響として、体罰を受けて「前頭前野」が委縮すると感情のコントロールがきかなくなり、暴言を浴びて「聴覚野」が肥大すると会話力が低下、夫婦喧嘩などの目撃によって「視覚野」が縮小すると他人の表情が読み取れなくなることがわかっています。これらの脳の変形は、子どもたちが生きる延びるための悲しい防衛反応と考えられます。

 

どうすればいいのか? 誰だってある

事例を見てもわかるとおり、誰だって”おとな”として”こども”と接する時、不適切な行為を行ってしまうものです。脳への影響を研究された友田教授も、「自分の娘に対して数々の失敗をしてきた。はじめから完璧な親などいない。大事なのは、親たちがマルトリートメントへの理解を深め、そうした行為が誤りだと認め改めることで状況は回復できる。」と述べています。マルトリートメントを行うおとなを、攻めるために発表してるのではなく、知ることで、改善されることを願って、発表しています。おとな達、特にこどもと接する時間の多い、母親は本当に一生懸命で、こどもの為を思い行動しています。あまり神経質にならず、こどもと接していきましょう。

どうすればいい? こどもへの接し方

では、具体的にどうやって接すればいいのか?いくつか事例をあげておきます。

●イライラしたら深呼吸……これは、よく聞く話ですが、効果はあります。自分がイライラしてこどもに怒りだす…と感じたとき、一呼吸おくと、不思議と客観的に見ることができ、落ち着いて諭すことができます。訓練と思って、何度もトライしてみてください。

●こどもを叱る時は60秒以内で……なかなか、タイムを計って意見をまとめるのは難しいと思います。これも訓練だと思ってトライしましょう。自分の中で何度も同じ事を言ってるなと気づいたら、「ハイおしまい!」と、あっさりやめるもの手です。

●自分は役に立っていると思ってもらう(自己肯定感を育む)……「お手伝いしてくれてありがとう。たすかったよ。」と感謝の言葉をかける。お手伝いしてくれてなくても、「残さずたべてくれてありがとう。」「生まれてきてくれてありがとう。」「大好きだよ。」など、行為だけでなく、存在自体に感謝する事を言葉に出す事で、こどもの自己肯定感は育まれます。おとなは恥ずかしがらずに、言葉で伝えましょう。伝えるのはタダです。(どんな、高額な教材や、知育玩具よりも心をはぐくむのには効果的!)やってみる価値ありますよ。

●自分は認めてもらってると思ってもらう……こどもが、お絵かきを見せに来たら「上手にかけたね。」と褒めることもいいんですが、「きれいなお花がかけたよ!」と伝えてきたら、「きれいなお花がかけたね!」と、同じ言葉を繰り返す事で、認めてもらえた!と思います。こどもを褒めるのはなかなか難しいですが、「いっぱいお話したね!」「いっぱい汗かいたね!」「がんばってるね!」「ぴょんぴょんしたね!」などなど、こどもの状況や見た目を伝えるだけでも、「見てくれてる!認めてくれている!」と思います。もちろん笑顔で伝えてあげてください。(怒り顔だと効果半減です…)

●スキンシップを取る……手をつなぐ、抱っこする…こどもが嫌がる様になるまでは、たくさんたくさんスキンシップしてあげてください!

●眠る前に振り返る……自分が眠る前、今日はどれだけ言葉かけできたか、どれだけスキンシップしたか、思い返し、明日はさらに1つ多くできるように考えてみてください。これができなかった、あれができなかったのマイナス採点は落ち込みます。今日はこれができた!とプラス採点でいきましょう。

どうしたらいい? 誰かに話す

そうはいっても、思い通りにいかないのが、子育て。おとなの気分転換も必要だし、ストレスを溜めないことも大事です。とにかく、誰かと話す事からはじめましょう。夫、ママ友、両親、もしくは保育園、幼稚園、学校の先生、近所のつどいの広場のスタッフ、市役所などの子育て相談、電話やネットでの子育て相談などなど、話すところ、聞いてくれるところはたくさんあります。「相談」するほどでもない事も、まずは話してみる事で、解決策が自分で見つかったり、周りも同じなんだとわかったり、逆に、ちょっと自分の考えが行き過ぎてる事に気づいたり、何か、変化があるはずです。基本的にみんな、こどもと親の見方です。必ず助けてくれる人が周りにいますよ。

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参照サイト
著書紹介

子どもの脳を傷つける親たち (NHK出版新書) [ 友田明美 ]

価格:842円
(2017/11/21 02:48時点)

参考記事

2018年5月26日朝日新聞 be フロントライナー より

 まとめ

友田先生が診察された保護者が「『脳がケガをしている』と、教えてもらい、脳へのご褒美としてほめるということを心がけている」と、言っていたうです。脳がケガするなんて衝撃ですが、ケガなら治せるような気がして、ケアの必要性も感じさせられます。自分も2児の母として、身が引きしまる思いです。
こども達の健やかな発達を願って…☆

 

※2018/5/26 朝日新聞be の記事を参考に、内容を一部加筆、変更いたしました。

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